INTERVIEW

小出 裕

小出 裕先生

Koide Yutaka

プロフィール

出身地
大阪
出身大学
神戸大学
卒業年度
平成 15 年
放射線科医歴
12 年
資格
  • 放射線診断専門医 IVR 専門医
専門分野(IVRのなかでも
得意分野あれば)
救急、末梢血管
趣味
レクチャー、パーカッション、ボードゲーム、散歩

これまでのキャリアを教えてください

2003 年 神戸大学医学部卒業
2004 年~2005 年 神戸労災病院 初期研修医
2006 年~2013 年 兵庫県災害医療センター 救急部
2014 年~2018 年 神戸大学医学部附属病院 放射線診断・IVR 科
2019 年~ 現職
研修医が終わって、医師 3 年目から救急医にあこがれて兵庫県立災害医療センターで救急専攻医として働き始めました。救急医療で研鑽を積みながらサブスペシャリティとして、放射線科を選択しました。当初は心カテや外科にも興味がありましたが、救急医療の質を向上したいという思いと、カテーテルに魅せられて放射線科研修に進みました。医師十年目になり、このまま一つの施設にとどまり救急医療を続けるのもな、と一念発起し、国内留学のつもりで神戸大学放射線科の門をたたいたところ、IVRに一生を捧げている先生方に魅せられて転科しました。

所属施設の簡単な紹介

兵庫県の西の播磨地域の医療を担う 736 床の総合病院です。
姫路循環器病センターと新日鉄広畑病院の 2 施設が合併して 2022 年 5 月 1 日に開院となりました。そのため 2 病院の特色であった心血管系の強み、三次救急医療を含む総合的な医療を提供できるという DNA を引き継いだ施設かと思います。
当科で行うIVRも、血管系のIVR(EVTやステントグラフト)と救急IVR(外傷の止血など)が大きな2つの柱となっており、それに加えて各科より様々な分野のIVRの依頼を引き受けています。

IVR医を目指した理由

救急医時代に、救急医療の迅速でダイナミックな医療に魅かれていましたが、正確な診断をする重要性を痛感することも少なからずありました。
そのため迅速で、かつ正確な医療を提供したいという思いから放射線科をサブスペシャリティに選択しました。
その後、救急科と放射線科のかけ橋として、医師 10 年目まで働いていましたが、チーム作りや後輩の育成などに限界を感じ、神戸大学放射線科の門をたたきました。
そこで、IVR に人生をかけている先生方と出会い、IVR の奥深さ、面白さに魅かれ、転科し、IVR 医として生きる決意に至りました。5 年間で約 2500 例の IVR 症例を経験しました。

現在の業務の割合(IVRが占める割合や、読影・研究などとの比率)

IVR 50%、読影 30%、教育 10%程度となっています。

教育では 月に 1 回、救急放射線の勉強会を開催しています。救急 IVR に関する講義に加え、最近は DICOM クラウドを用いた双方向性の高い読影レクチャーを研修医向けに行ったり、企業に手伝ってもらい血管モデルを用いたカテーテル実習などを行っています。そのネタやモデルを考えるのも趣味になっています。
研究は 10%程度です。私自身、新しいもの好きであることもありますが、うまくいかなかった時にもっとこうしたら良かったのにという反省が、臨床研究の動機になっていることも多いです。

プライベートの過ごし方

週末はよく六甲山へ歩きに行きます。森の中でなら夫婦の会話もスムーズになります。キャパが増える気がします。
趣味は、たいこ(カホン、パンデイロ、ウドゥ…)を叩くこととボードゲームです。
たいこは、単純なリズムでもどこどこ叩いていると、余計なことを忘れてとても楽しくなります。誰かと一緒に演奏できたらなおさらとても楽しいです。また、聞いている音楽のジャンルが広がるのもとても楽しいです。
ボードゲーム で人と遊ぶことは、人とコミュニケーションをとることの大切さを思い出させてくれました。年齢、性別、国の違いを飛び越えて一緒に楽しい時間を過ごせる素敵なツールです。

IVRのこれがいい!&これは大変…!

・時間はそれほど長くない
・細かな技術
・全体の組み立て方
・脳内補完の多さ
・画像支援の重要性
様々なことを組み合わせて、しっかりとした計画のもとに難しい手技をきれいにできたときや、緊急症例で様々なアイデアを駆使して困難をのりこえられたときの達成感。なにより患者さんに治療で喜んでもらえることが、とても嬉しいです。
一つの判断や操作、気のゆるみで全てがおじゃんになることがあり、気を引き締めて手技に臨んでいます。
常に謙虚な気持ちで、アドバイスしてもらったことを素直に受け止めることが重要です(が、できないこともあります)。

これからの目標、挑戦したいことを教えてください

  • 日本一の救急 IVR の施設を目指す
  • 血管系 IVR を極めたい
  • 教育に力を入れていきたい。月 1 回の救急放射線の講義を続ける
  • 発表・研究などの学術活動を続ける
  • 温故知新 今までに教わったことを大切にしながらも、つねに新しいことに目を向けて、研究や臨床に活かせないか模索しながら楽しく生きていきたいです

文責

黒岩大地