INTERVIEW

元津 倫幸

元津 倫幸先生

Gentsu Tomoyuki

プロフィール

出身地
兵庫県 淡路島
出身大学
熊本大学
卒業年度
2008 年
放射線科医歴
13 年
資格
  • 放射線診断専門医
  • IVR専門医
  • 救急科専門医
専門分野(IVRのなかでも
得意分野あれば)
EVAR
趣味
テニス、読書。最近、筋トレもはじめました。

これまでのキャリアを教えてください

2008 年 熊本大学医学部医学科 卒業
2008 年 公立八女総合病院 初期臨床研修医
2010 年 兵庫県災害医療センター 救急部
2013 年 神戸赤十字病院 放射線科
2013 年 大阪警察病院 放射線科
2015 年 神戸大学医学部附属病院 放射線科(大学院)
2016 年 姫路循環器病センター 放射線科
2018 年 神戸大学医学部附属病院 放射線診断・IVR 科
2019 年 神戸大学医学部附属病院 放射線診断・IVR 科 助教

所属施設の簡単な紹介

神戸大学医学部附属病院は、神戸市の中心に位置する 934 床の中核病院です。放射線診断・IVR 科には、18 人の教員と 19 人の医員が在籍しており、活気のある職場です。
IVR 専門医は 8 人、IVR を専攻する大学院生は 3 人です。2024 年の IVR 件数は 1,729 件で、TACE、CV ポート留置、生検が大部分を占めますが、EVAR/TEVAR、PAD に対する EVT 等の治療も実施しています。近年は、骨軟部腫瘍に対する RFA など、新しい手技の導入も進んでいます。

また IVR 修練を希望されている救急科所属の先生も例年受け入れています。放射線科専門医を取得されるまで IVR および画像診断の修練を積んでいただき、救急科へ戻ってもらっています。その中には IVR に魅了されて放射線科へ所属を変更される先生もおられます。

また、大学院生の増加に伴い、臨床研究や基礎研究にも積極的に取り組んでいます。他施設と比較してマンパワーに恵まれているため、オンとオフのメリハリがあり、十分な休息を取ることができる環境が整っています。

IVR医を目指した理由

初期研修医の時に出会った放射線科の先生が、画像診断、放射線治療、IVR、内科救急診療を幅広くこなすスーパーマンのような存在でした。その姿に憧れ、放射線科医を志しました。
3 次救急医療にも携わりたいと考え、後期研修では兵庫県災害医療センターの救急科で多発外傷を中心に診療を行いました。その中で、外傷や大動脈瘤破裂に対する IVR の劇的な救命効果を実感し、IVR のサブスペシャリティ研修を受ける機会を得ました。しかし、IVR には高度な知識と技術が求められ、片手間で習得できるものではないと痛感したため神戸大学放射線診断・IVR 科に入局し、IVR を中心とした診療と研究に携わることとなりました。

現在の業務の割合(IVRが占める割合や、読影・研究などとの比率)

月 午前 IVR 午後 IVR +読影 20 件、実験
火 午前 カンファ 外来 午後 外勤(IVR 40%, 読影 60%)
水 午前 IVR 午後 IVR、読影 20 件
木 午前 IVR、学生実習 午後 IVR、読影 10 件くらい 実験
金 午前 読影外勤 午後 読影外勤

土日で執筆作業を行います。

プライベートの過ごし方

あまり欲がないので、慎ましく生活しています。休日は家族と料理をしたり、散歩をする程度です。テニスは中学生の頃から続けており、技術を維持するために週 1 回テニススクールに通っています。予測と準備が重要であり、同じ一球がない点がテニスと IVR と似ているところが気に入っています。

また最近、自宅近くのジムに通い始めました。以前は筋トレが大嫌いでしたが、苦手なことに挑戦することや、ひたすら自分と向き合う作業が修行のようで、今では楽しめるようになりました。

体力をつけることは、IVR 医として長く活躍するために欠かせない要素だと思っています。皆さんも、ぜひ体を鍛えましょう!

IVRのこれがいい!&これは大変…!

これがいい!

画像に基づいたプランニング

私は治療計画を立てる段階が最も好きです。画像情報をもとにデバイスを選択し、リスクを管理する思考過程にはワクワクします。また、神戸大学では心臓血管外科、産婦人科などと協力し、ハイブリッド手術や手術を補完する IVR サポートを積極的に行っています。この過程では、外科チームと密にコミュニケーションを取り、どの部分を IVR でサポートすべきかコンセンサスを形成しながら治療に取り組んでいます。治療計画通りに施行できたときの達成感は格別です。

IVRのこれは大変…!

治療結果に対する責任

IVR 医は、他科からの依頼を受けて手技を行うことがほとんどです。そのため、質の高い手技を提供し、良好なアウトカムを出さなければ信頼を得ることはできません。もちろん、すべてが思い通りに進むわけではありませんが、治療の結果には常に責任を持たなければなりません。
私のボスから「カテ室で起こることはすべて君の責任だ」という訓示を受けました。この言葉を胸に、一例一例に真摯に向き合いながら日々の診療に取り組んでいます

これからの目標、挑戦したいことを教えてください

次世代のサポート

先輩から学んだことや、自分たちが習得した知識・技術を、分かりやすく伝えられる環境を築いていきたいと考えています。研修医や学生に IVR の魅力を伝え、次世代の育成に貢献していきたいです。

臨床

IVR は、痛みの管理や緩和医療の分野でもさらに貢献できる可能性があると考えています。
治療が奏功し、患者さんの症状が改善するのを見るのは我々にとっても喜ばしいことですが、今後も症例を積み重ね、より多くの患者さんに貢献していきたいです。

研究

EVAR の研究に取り組んでおり、遠隔期の治療成績を向上させるための手技について、引き続き検討を進めています。また、大学院生とともに四苦八苦しながら基礎研究にも取り組んでおり、新しい治療法の開発に少しでも貢献できればと考えています。

おまけ

筋トレですね。人生も折り返し地点に差し掛かってきましたので、それ以外にも自分が苦手と感じていることに対して、積極的に取り組んでいきたいと思っています。

文責

是恒 悠司