INTERVIEW

佐野村 隆行

佐野村 隆行先生

Sanomura Takayuki

プロフィール

出身地
広島県
出身大学
香川医科大学(現 香川大学)
卒業年度
平成 12 年
放射線科医歴
23 年
資格
  • 医学博士
  • 日本医学放射線学会放射線診断専門医・研修指導者
  • 日本 IVR 学会 IVR 専門医・指導医
専門分野(IVRのなかでも
得意分野あれば)
腹部血管系 IVR
趣味
旅行、ドライブ、野球観戦、釣り

これまでのキャリアを教えてください

2001 年 6 月 香川医科大学医学部附属病院放射線科 医員(研修医)
2003 年 5 月 香川医科大学医学部附属病院放射線科 医員
2003 年 10 月 住友別子病院放射線科 医員
(2006 年 5 月~2010 年 3 月 香川大学医学部研究生)
2011 年 4 月 住友別子病院放射線科 医長
2012 年 1 月 香川大学医学部附属病院放射線部 病院助教
2012 年 10 月 香川大学医学部附属病院放射線診断科 助教
2014 年 7 月 香川大学医学部附属病院放射線診断科 学内講師
2015 年 12 月 香川大学医学部放射線医学 学内講師
(2023 年 5 月~ 膵臓・胆道センター センター員)
2025 年 6 月 香川大学医学部附属病院放射線部 講師

所属施設の簡単な紹介

  • 昭和 58 年香川医科大学医学部附属病院として設立、平成 16 年より現在の国立大学法人香川大学医学部附属病院に移行。
  • 病床数 613 床(IVR 病床 1 床)。
  • 平成 13 年サイクロトロン診療棟が竣工、平成 14 年中国・四国地区で初めて PET 装置が導入。
  • 放射線医学講座医局員 18 名(IVR 専門医 4 名)。
  • IVR は曜日毎に専門医 1 名+修練医 1 名(+研修医)を固定。
  • 2024 年 IVR 件数 677 件(CV ポート 259 件、生検 108 件、TACE79 件、膿瘍ドレージ62 件、出血に対する塞栓術 38 件など)。
  • 2024 年より新たな IVR-CT 装置(キャノン社製)稼働。

IVR医を目指した理由

  • 放射線科に入局した時は、特に IVR を意識はしなかった。はじめは患者とあまり関わらなくていいかな、と思って放射線科を志望したが、結局面白かったのは患者と実際に触れ合える IVR だった。
  • 放射線診断科での研修を通して IVR に参加、高い技術を要する専門性と、低侵襲治療という先進性に惹かれた。
  • 手技を終えた時の充実感、達成感を強く感じ、IVR 医を目指した。
  • 読影を極めることの困難さを感じた。

現在の業務の割合(IVRが占める割合や、読影・研究などとの比率)

  • 週 5 日のうち 1 日は外勤。
  • 残る 4 日を午前午後の計 8 コマに分けると、3~4 コマが IVR 手技、2~3 コマが読影、2コマが IVR 外来。外来で患者の IC をしている。CV ポートやドレナージなどの手技も全て自分たちで IC している。外から紹介されてくる患者は多くはない。
  • 研究や科研費、学会発表用スライド作成、論文執筆などは基本的に時間外業務(自己研鑽)として行っている。

プライベートの過ごし方

  • 最近は娘(5 歳)と遊ぶことがほとんど。公園、遊園地、動物園など。子供が外の方が好きなので、出かけることが多い。そろそろ自転車を教えたい。妻も医師のため休日出勤あり。
    平日も妻は 7 時には出ていくので、娘の朝の準備は自分でやっている。
  • ダイエット目的でジム通いしている。お金振り込むだけにならないように週 1 回は行きたいと思っている。まだ 5km までしか走ったことがないが、今後はマラソンもやりたい。
  • YouTube で動画鑑賞。娘が見たいものを一緒に見たりしている。

IVRのこれがいい!&これは大変…!

これがいい!

  • 正解までのアプローチ法が何通りもあり、治療戦略を練る時間。人によって方法が違うところが良くも悪くも IVR らしいが、工夫しがいがあるところが面白い。
  • うまく治療を終えた時の達成感。
  • 主治医から感謝される、頼りにされる。
  • 放射線科の院内での役割や存在感が一層高められる。

IVRのこれは大変…!

  • 主科も医師であるため専門的な目線で評価されることが多く、常に確実な手技が求められる。
  • 予期せぬ困難に直面した際にも自らの判断で適切にリカバリー、ベイルアウトする能力が必要。
  • 夜間の緊急呼び出し後の通常勤務。自分含めた 2 人のどちらか行って、下と一緒にやる。
  • 大多数の症例が他科患者のため、主治医の要望が優先される。

これからの目標、挑戦したいことを教えてください

仕事

  • 腎・骨・肺の RFA、TAME (Transcatheter arterial micro embolization)など当院で現在未導入の IVR。進め方が難しい。
  • 研究および論文執筆(大学在籍中に)。
  • 若手 IVR 医育成。はじめから IVR がしたいという人は少ないので、リクルートしたい。

プライベート

  • 健康維持。
  • マラソン。
  • セカンドカー所有。車が好き。1年くらい前から考えている。せっかく田舎に住んでいるので、もう一台欲しい。

若手医師へのメッセージ

正直手技がうまくいかないことが続き、もう IVR をやりたくなくなってしまう経験は誰でもすると思う。
でも、そこは一踏ん張りしてほしい。時間が経てば心の傷も癒えてくるので、大局的に物事を見るようにしていくと良いのではないか。その方が楽に仕事ができると思う。

文責

山本洋輔